服作り用のボディ(裁断ボディ)と呼ばれるボディは、主に、ドレーピング作業で使われます。ドレーピングとはトワル(天竺木綿)をボディに沿わせ、ピンとはさみを使いながら服の形を作り、その後ピンを外して服の型紙を作る作業です。その他にフィッティングと呼ばれる作業で、服をつくる過程で、サンプルを着せて複数の人たちが意見を交換するときにも使われます。どんな服を作るか?その試行錯誤をするためにサイダンボディは使われます。ボディの肩や脇の縫い目線は、使う人の目安線になるように設定しています。前身ごろや後ろ身頃、首回り、前中心、後ろ中心などがほぼ、ボディの通りに作れば大体、合格点の服ができるようになっています。けれどもボディをあまり信用しすぎるのは少し危険。

ディスプレイ用のボディは、トルソと呼ばれたり、マネキンと呼ばれることがあります。服をどのように魅力的に演出するか?ということに主眼が置かれます。服を内側から支えるのがボディですが、肩傾斜、胸の高さや首の太さ、ウエストの絞り、ヒップの張り、そして一番大切なのは、姿勢でしょうか。ディスプレイ用のボディはただ服を着せられているだけではなく、服の特徴・品質も、お客様に一瞬で感じ取ってもらえる重要な役割を果たします。ボディは左右対称がデフォルトです。服の良しあしがボディに着せるとよくわかります。